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2004年 04月 20日
ブレッド&ローズ(Bread and Roses)
監督/ケン・ローチ(Ken Loach)
出演/ピラール・パディージャ(Pilar Padilla)・エルピディア・キャリロ(Elpidia Carrillo)・エイドリアン・ブロディ(Adrian Brody)・ジョージ・ロペス(George Lopez)・アロンソ・チャヴェス(Alonso Chavez)
公式HP

ケン・ローチが珍しくアメリカでロケを敢行した作品だ。
ストーリーは↓という感じ。
 ある夜、マヤは故郷メキシコの国境を越え、ロスに住む姉ローサの家に身を寄せる。オフィス街のビルでローサと同じ清掃の仕事を始めた彼女は、ある日、若いアメリカ人の労働組合活動家サムと運命的な出会いを果たす。熱心なサムは雇用者に対するゲリラ活動にマヤとローサを誘い、マヤはサムへの憧れと雇用者の不当な扱いに対する憤りから彼と行動を共にし、組合活動に傾倒していく。闘争の輪は次第に大きく広がって行くが、それは背中合わせの危険も大きくなっている事を意味していた。やがて貧しくも平穏な生活を望む姉との間に亀裂が生じ始め、遂にローサはマヤに衝撃的な事実を告白する。そして闘争は雇用者との最後の対決の時を迎える…。
アメリカでの撮影の為か、ケン・ローチらしからぬ部分も見え隠れするが、テーマはやはり労使問題。

今、アメリカではラティーノと呼ばれるマイノリティが増えつづけている。
# ラティーノとはメキシコを含む中南米出身で米国への移住者、ヒスパニックと同義語。
アメリカのTVドラマには必ず出てくるし、WWE(プロレス団体)ではスペイン語の放送が用意され、チャンピオンの一人がエディ・ゲレロ(ラティーノ)であったりもする。

ラティーノ~黒人を上回ったマイノリティ
↑のサイトを見ても分かるように、すでにアメリカ文化に根付いている。

しかしながら、この映画のマヤのように不法入国者の場合も多く、そのような場合は働き口が限られてくる。
この映画の場合は、清掃業。
彼らの賃金が最低賃金を下回る額しか支払われていない。雇用者が彼らの足元を見て、コストを押さえているからだ。
労働組合活動家サムと共にラティーノ達は立ち上がる。
当然、雇用者やビルの責任者達は、話を聞き入れず、戦いは難航する。
 「資本家による労働者の搾取」という言葉は、少なくとも今の日本ではひどくアナクロなものに聞こえてしまう。現代社会では法律や制度が労働者の雇用環境を守っているから、そうした諸制度によほど無知な経営者か、最初から不正を働こうとしている経営者でない限り、労働者の権利は最初から保護されているのが当たり前なのだ。これは欧米でも同じだろう。ところがこうした労働者の権利がまったく認められず、雇用者が低賃金の労働者を奴隷のようにこき使い、少しでも文句を言えば簡単にクビにしてしまう、19世紀さながらの「資本家による労働者の搾取」が続けられている世界がある。それは我々のすぐ近くに、目に見え手が届くところにあるが、それに気づくものはいない。
日本の経済を支えている人達は不法に入国した外国人労働者であるともいわれている。
彼らは、劣悪な環境の中で安い賃金で働いている。
国は彼らの締め出しを宣言しているが、実際にいなくなってしまうと困るので、本格的に重い腰は上げない。
マスコミは彼らが事件を起こすと、大きく取り上げて扇動的な記事を書くが、彼らが人権を求める運動を起こしても知らん振りだ。

数年前、温泉の利用を断られた外国人が、ホテルを訴えた判決が出た。
どれだけの人が知っているだろうか?
では、ハンセン病の人達を断った事件は?
マスコミ報道の差で認識にも格差が出ている。
(彼らは日本国籍を持っていたにもかかわらず断られて、その結果告訴したのだが、不法入国者への差別はもっと酷いだろう)

声を出せないで、働いている人はすぐそばにいる。
この国では、彼らの存在を否定しながら利用するが、声をあげても無視する。
声を出せたマヤ達の国の方が幸せなのかもしれない。


参照URL
ケン・ローチ新作映画 『ブレッド&ローズ』(Bread & Roses)~女性・マイノリティ・不安定労働者の権利をめざして~
ブレッド&ローズ(2000) -goo 映画
ブレッド&ローズ
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by barry_lions | 2004-04-20 17:37 | Cinema


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