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2004年 04月 22日
ナッシュ・ブリッジズ vs ホミサイド。
この二つの刑事ドラマは、カテゴリーという意味では同じだが、内容は全く異なる。

日本でもテレビ東京AXNで放送されている「ナッシュ・ブリッジズ」は、同じくドン・ジョンソン主演でテレビ東京で放送されていた「マイアミ・バイス」を彷彿とさせる番組内容だ。
「マイアミ・バイス」はエグゼクティブ・プロデューサーにマイケル・マンがいただけあって、エピソードによっては彼が監督した「ヒート」や「インサイダー」のような骨太な男の戦いという話が組み込まれている。
もちろん、ナッシュ・ブリッジズとはその逆側の「マイアミ・バイス」のお気楽なエピソードを中心とした刑事ドラマ、という作りになっている(もちろん、お気楽でないエピもある)。

対するホミサイドは、ERなどのリアリティドラマの先駆けといわれるように、殺人課の刑事と犯人の心理劇をサスペンスタッチに描くドラマだ。
「逮捕後に、どうやって自供をとるか」
自供が取れなければ釈放だし、自供が怪しければ裁判で負けて犯人は釈放だ(大陪審にさえ持っていけない時もある)。
勝率は刑事に有利だが、エピによっては釈放もあるし裁判での逆転負けもあるので、見る方は気を抜けない。


違うタイプの刑事ドラマであったが、ドラマの内容よりも、もっと大きな共通点があった。

ナッシュ・ブリッジズ(CBSで毎週金曜日夜10時放送)。
ホミサイド(NBCで毎週金曜日夜10時放送)。

放送時間が重なっていたのだ。
# ここからは、「Homicide: Subway & Anatomy of Homicide 」のネタバレも含みますので、気をつけて下さい。

刑事ドラマの陰と陽という感じのこのドラマの視聴率は、ナッシュ・ブリッジズが押していた。
もっといえば、視聴率の落ちていたホミサイドはNBCから打ち切りを打診されていた。

そこで、ホミサイドのスタッフはミーティングを開き、「ナッシュ・ブリッジズに視聴率で勝とう!」というテーマの下、苦悩し意見を闘わせる。
そんな時、HBOのドキュメント番組からインスピレーションを受け、ホミサイドの歴史に残るエピソードの草案が出来上がる。
第5シーズン、第84話の「地下鉄」THE SUBWAYだ。
# HBOといえば、ホミサイドのスタッフが作成した「OZ」を放送しているテレビ局。
朝の通勤ラッシュ時、地下鉄の駅のホームからラングという男性が線路に転落し、列車とホームの間にはさまれ瀕死の重傷を負う。ペンブルトンとベイリスは、身動きのできないラングから事情を訊くが、自分の死が近いことを知ると興奮状態になる。一方、目撃者たちの証言は、事故だとか故意だとか、まちまちだ。
ゲスト:ヴィンセント・ドノフリオ(エミー賞最優秀ゲスト男優賞ノミネート)
脚本:ジェームス・ヨシムラ(エミー賞最優秀脚本賞ノミネート)

我が強く傲慢なラングは、電車とホームに挟まれ身動きが取れず重体なのだが、脊髄が圧迫された影響で、上半身の動きは取れて、意識はハッキリしている。
ペンブルトンは事の重大さを理解し、ラングから事件を聞き出すと同時に、彼を落ち着かせようと努力する。
ラングは徐々に自分の置かれている状況を理解し始めて、パニックに陥る。
そんな二人に少しずつ友情が芽生えてくるのだが、鉄道会社は早く列車を再開したいので彼を動かしてほしいといい、医者は今電車を動かすと彼の命が危ないという。

前述したビデオでは、この原案からエピソードに成り立つまでと、これを撮影した現場を観ることが出来る。
両方とも緊張感溢れるメイキングとなっている。

結果、ホミサイドはナッシュ・ブリッジズに勝てないまでも、肉薄する視聴率を取り、NBCにシーズン続行を決断させることに成功した(一部の地域ではナッシュ・ブリッジズの視聴率を上回った)。

ホミサイドは次シーズン(第6シーズン)の122話をもってシーズンを終えて、その1年後のテレビムービーで本当の最終回を迎える事になる。
ナッシュ・ブリッジズは、現在もアメリカで放映中だ。

結局、ナッシュ・ブリッジズの勝利に終わったとなるのであろうが、ホミサイドには「地下鉄」をはじめ、数多くの優れたエピソードを残してくれた。
名作を多く残してくれたホミサイドのスタッフに感謝である。
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by barry_lions | 2004-04-22 13:17 | TV Drama


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