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2006年 08月 22日
Magnum-force
Magnum-force_a0011865_1656533.jpgG+で今月放送されたプロレスクラシックは、1982年に行われた世界最強タッグ決定リーグ戦。

参加チームは
超獣コンビのハンセン・ブロディ組。
人気兄弟タッグのファンクス組。
全日最強師弟コンビの馬場・鶴田組。
スヌーカーの変わりに病み上がりの右利きのテリーが急遽参戦のレイス・スレーター組。
龍原砲以前の天龍・原組。
ミッドアトランティック代表のスティムボート・ヤングブラッド組。
白星配給係の上田・スーパーデストロイヤー組。




開幕式がメチャクチャになるのは、この頃の最強タッグのお約束。
テーマ曲がオリンピアで無いのがビックリだが、豪華な顔ぶれにはもっと驚く。
SWSの大量離脱以後、内向きになってしまった為、世界という冠が看板だけになってしまい、ノア勢の大量離脱により、最強という看板も怪しくなってしまった現在の世界最強タッグに比べると華というか鮮やかさが全然違う。

G+側の今回放送の一番の見所は、最後に放送する
「ジャイアント馬場&ジャンボ鶴田vsスタン・ハンセン、ブルーザー・ブロディ」
になるのだろう。

既に馬場の衰えが痛々しいが、それでも大型レスラー4人のぶつかり合いは大迫力。
内容も面白ければ、決着も意外な形で終わったりして、驚くばかり。
この時代のトップ4の戦いで、完全決着で試合が終わるのは少なく、ファンが不満を抱く最大の要因だった。
それを考えると、馬場の判断は正しいといえる。
実はこの試合が、約10年後に行われる天龍・ハンセン組と馬場・木村組の試合の(結果的な)複線にもなっていたりする。シリーズが世界最強タッグだというのも心憎い。

で、マニアが待ち望んでいた試合がついに今月放送された。
何度かこの年の世界最強タッグを放送する機会が、日テレ及びG+であったものの、まったくスルーされていた伝説のカード。

「リッキー・スティムボート、ジェイ・ヤングブラッドvsスタン・ハンセン、ブルーザー・ブロディ」

開幕戦のメインを飾ったこのカード。
ニフティのfbatlの時代から、この試合が見たいという人やこの試合を最強タッグの名勝負の一つに選ぶ人が多かったにも関わらず放送されなかった幻のカード。
20年以上の時を経て、やっと放送されたわけだが、この手のカードは見る方の思い入れが先行してしまい、改めて見るとイマイチというケースが多かったりする。
そんなわけで、この幻のカードも期待半分不安半分で観戦した。

見終わった感想は、記憶していた試合の展開ではあったが、当時程の興奮は無かった。
この辺りは、今見ても感動してしまう「天龍・川田vsハンセン・ゴディ」とは違ったわけだ。
何故、感動が薄かったのか?と考えながら、何度か観戦してみた。

問題は超獣コンビにあった。
技をまったく受けないのだ。
今の時代にこんなレスラーが出たら、きっと大バッシングを受けるのでは?と思うほど相手の技を受けない。
いや、ブロディは相手レスラーへのリスペクトの大きさによってセルの量を変える。
同日放送されたレイス、スレーター戦を見ると分かるが、レイスに対しては互角の攻守の攻防をするが、スレーターに対しては反撃させる時間を少し与えたら「もう十分だろ?」とばかりに反撃に転ずる。
格下と思われる相手には本当に容赦しないが、ブロディ独特の間もあって、相手の良さを全く消してしまう事は無かったりするから、不思議だ。
ブロディのプロレスセンスの奥の深さを感じさせてくれる。

対するハンセンは、本当に受けない。攻め一辺倒。
同じく攻めオンリースタイルのウォリアーズやゴーバーのようなタイプと違うのは、彼らは同格相手の大一番になると攻め一辺倒のスタイルから技を攻防する展開にチェンジしてスタミナ温存に走るわけだが、慣れない展開だけに試合が散漫になり、グダグダな展開を余儀なくされていた。
それに対してハンセンは、試合時間や格下や格上に関わらず、攻め続ける。
凄いというか酷いというかは、評価が分かれるだろうが、物凄い攻めっぷりには脱帽するしかない。

そんなわけで、リッキーとジェイは全く反撃のスペースを与えて貰えず、大苦戦を余儀なくされる。

ブロディは、アメリカでもトップ選手であったリッキーに関しては反撃のチャンスを多く与えるが、ジェイ相手の場合は完全に子供扱い。
パートナーのハンセンは、リッキーとジェイの二人を完全に格下扱い。
アメリカでは、完全に格が逆転しているのを考えると、なかなか興味深い。
また、ハンセンがアメリカで大成しなかったのもうなづける。

この試合に話を戻すと、リッキーとジェイは、自分達の見せ場を頑張って作ろうと努力するが、少しでも反撃されるとハンセンは、それこそ鬼のような形相で、二人を(文字通り)蹴散らす。
そんな中、この試合の最大の見せ場は、ジェイがハンセンの髪の毛を掴んで、インディアンステップを踊った所だろう。
最後は撃沈するわけだが、ミッドアトランティック代表の二人は見事にメインの大役を務めた。

この試合を久しぶりに見て感動しなかった理由は、今のプロレスが「良い試合」が当たり前になっているからなのだろう。
どんな選手同士でも、「良い試合」を作るのが当然なので、この程度の「良い試合」では感動出来なかったりするわけだ。
しかしながら、当時は格が違う相手との試合は、そのまま格の違いが試合に出るのが当たり前だったので、この試合に感動したのだろう。
そして、改めて見直すと、この試合の良さが再確認出来て、伝説と呼ばれていたのも頷けたりもする。

いや~、プロレス面白いわぁ。

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最強タッグチームは超獣コンビでしょ対抗戦
by barry_lions | 2006-08-22 16:57 | Battle


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